特許検索事例研究会 ~拒絶理由に学ぶ特許検索式の立案ノウハウ~

はじめに

特許調査のやり方に正解はありません。

先行する特許が、有るのか無いのか分からない状態で検索戦略を立案し、ヒットした母集合のスクリーニングを行います。その結果、関連する特許が見つかることもあれば、見つからないこともあります。見つかったから正解ではなく、見つからなかったことも間違いではありません。

このように、正解が分からない特許調査の作業プロセスを、良いとか悪いとか評価することは難しいのですが、 実際に行われた特許出願の審査の過程で、拒絶理由として提示された引用文献は、ある意味において、先行技術調査の正解であると言えると思います。

この、ある意味で正解である引用文献を、どのような検索式を立案すればヒットさせることができるのか、さらには、どんな工夫をすれば、より少ないヒット件数で効率的に引用文献をヒットさせることができるのか、または、どんな検索式を立ててしまうと引用文献が漏れてしまうのかを考察することは有意義であると思います。

「特許検索事例研究会」では、拒絶理由に学ぶ特許検索式の立案ノウハウを、参加者が共有することで、特許検索式の立案スキルを向上させることを目的としています。

特許検索事例研究のすすめ方

題材公報の指定

調査対象とする題材公報(公開公報)を選定します。 【請求項1】に対して特許法第29条第1項(新規性)または第2項(進歩性)を理由として拒絶理由通知が発せられた特許出願を題材とします。さらに、検索外注が行われ検索報告書が存在すると、引用文献が抽出されたプロセスが参考になります。

STEP
1

調査対象の把握

題材公報に付与されている特許分類は見ないようにして、【要約】と【請求項1】と【図面】を参酌して、調査対象となる発明を把握します。

STEP
2

予備検索の実施

題材公報の出願日以前に期間限定を行ったうえで、予備検索を実施し、調査対象の発明に類似する関連公報をピックアップします。

STEP
3

検索式の立案

予備検索でピックアップした関連公報に付与されている特許分類や使用されているキーワードを参酌しながら本検索の検索式を立案していきます。ここでも、予備検索のときと同様に、題材公報の出願日以前に期間限定を行うことを忘れないでください。

STEP
4

検証と考察

立案した検索式に引用文献がヒットしているか否かを検証して、検索式の是非を考察してください。題材公報のヒットの有無も併せて検証しても良いです。

STEP
5

<検証と考察のポイント

  • どんな検索式で引用文献はヒットしましたか?
  • どんな絞り込みの工夫をすれば、より少ないヒット件数で引用文献をヒットさせられますか?
  • 複数アプローチの検索式の中で、どの検索式がヒットして、どの検索式はヒットしなかったですか?
  • どんな検索式を立てると引用文献はヒットしなくなってしまいますか?