2020特許・情報フェア&コンファレンスOnlineを訪問しました

特許情報ビジネスに関する展示会である「特許・情報フェア&コンファレンス」が、今年はオンライン展示会として開催されました。

昨年までは、東京・北の丸公園の科学技術館で、毎年11月に3日間にわたり開催されており、私にとっては、丸1日をかけて、新たな特許データベースや特許分析ツールに関する情報を入手するための一大イベントでありました。

地方在住者の私にとっては、東京に出張して業界のお知り合いの方々と直接に交流ができる貴重な機会でもありました。

前職の時には出展経験もさせていただき、情報の発信側として、多くの来場者の方々と直接にお会いする経験も積み重ね、特許情報サービス業界の変化の中で、自分の立ち位置や、進むべき方向性を考えるための重要な情報収集の場になっています。

昨年までは、会場の科学技術館に入場してからは、建物を丸く囲むレイアウトの展示会場を、左回りに順番に見学していました。今年は大きな業界再編もあり、主要な出展社の展示位置がどうなるのか気になるところでしたが、オンラインでの開催となり、会場図MAP-naviから気になる出展社のブースへ訪れるか、50音順出展社インデックスからアクセスする形となっていました。

私は、まずは、お世話になっているお知り合いの方がいるブースを訪問し、出展内容を拝見し、名刺投函を行いました。その後、50音順出展社インデックスの上から順番に見て回りました。

全体的な印象としては、最近はやりのAI技術を導入したシステムがさらに増えたように思われました。また、知財業務のアウトソーシングというと、特許調査、翻訳、図面作成といった業務が主でありましたが、特に今年は特許事務のアウトソーシングをアピールされる業者の出展が増えたように感じました。国内特許出願は減少を続ける一方で、グローバル化の流れの中で、外国出願は増加し、対象国が増えるごとにさらに増加する事務管理業務は、専門性が要求されることもあり、採用や人材育成が大変になります。世間一般に言われるようになった“働き方改革”も拍車をかけて、特許事務のアウトソーシングが普通に提供されるようになってきたのでしょうか。

オンライン化された展示会については、やはり、展示されているツールを実際に操作しながらデモ説明をお願いしたり、その場で生まれた疑問点に質問したりができないので、物足りないと感じます。提供サービスについての理解も深まらず、そのため、興味も湧き起らなかった感じです。

しかし、地方在住者にとって、交通費と移動時間をかけることなく参加できることは、大きなメリットでもあります。また、時間を有効活用するという点でも、自分の都合で動画を早送りしたり、スピード再生したり、途中で視聴を止めるなど、自由にできるので、効率よく自分が欲しい情報を入手できることは、オンラインだから実現できるメリットではありますね。

そんな中でも、提供するAI検索システムや分析システムを使った研究会活動を行い、そこで得られた成果を事例として発表するプレゼンテーションを展示するやり方は、特許情報フェアでの展示コンテンツとしては、自社のツールをアピールするのにうってつけであると思いました。

質疑応答ができない場で、自社のツールやサービスを導入すると得られるメリットをアピースするには、事例紹介を行うことが一番だと感じました。

来年の特許・情報フェア&コンファレンスはどのような形になるでしょうか? リアル会場で開催され、その場で直接コミュニケーションできることを望みますが、オンライン開催の良いところを実体験してしまったので、リアル開催にオンライン機能で補助された展示会となることを期待したいです。