特殊文字の検索について

特許検索を実施する中で、特殊文字を指定して検索するケースがあると思います。
特殊文字の代表的なものとして『ギリシャ文字』があると思います。下記の図には、24文字からなるギリシャ文字の「カナ表記」「小文字表記」「大文字表記」のそれぞれを示しました。
最近では、コロナウイルスの変異株の名称にギリシャ文字が使われているので、なじみ深くなっていると思います。英国株を「アルファ(α)株」、インド株を「デルタ(δ)株」と言い換えられるようになり、南米コロンビアで発見された新型コロナウイルス変異株を「ミュー(μ)株」と命名されたりしています。

特許検索においては、「単位記号」や「数式の変数」の表記で使われている場面に出くわすことが多い気がします。「特定の特性(特性項目)」について検索を実施する場合に、特性項目の「項目名」とともに「単位」についても指定するとモレが少ない検索を実現できると思います。

実際の検索事例を紹介すると、振動吸収特性を表す指標である「損失係数」について「損失係数」や「損失正接」といった「項目名」のキーワードを指定するとともに、損失係数の「単位」記号である「tanδ」を指定すれば調査モレが少なくなると思われます。
しかし、この事例では、今回指定すべき「δ=デルタ」について、「tanσ」と指定した検索式を作成してしまった失敗事例も経験しました。「tanδ」と表記されているのを見て、「δ」を「シグマ」と読み取ってしまったようです。

そこで、上記の図では見た目が似ている文字を色分けしてみました。「デルタ:δ」と「シグマ:σ」の他にも、「ゼータ:ζ」と「クサイ:ξ」もなんとなく似ていますね。

このような読み違いを防ぐには、検索式を作成する際に、表記を「コピー&ペースト」することをお勧めします。キーワード検索の場合には、キーワードの読み間違いを防ぐこともできますし、特許分類コードを指定する時に、手入力によるタイプミスを防ぐことができるからです。

せっかく素晴らしい検索式を立案したとしても、入力間違いや、誤変換があれば、元も子もありません。「コピー&ペースト」ができるときには、手入力は極力避けるとともに、作成した検索式の見直し確認を怠らないようにしたいですね。