「線状降水帯」に関する特許を検索する

最近の気象情報でよく耳にする「線状降水帯」について、どんな特許技術があるのか調べてみました。

J-PlatPatで「全文=線状降水帯」と指定すると8件の特許がヒットしました。ざっと見ると「降水帯」と記載され「線状」が付いていないキーワードが見られました。そこで、降水帯に関する技術に限定するために「請求の範囲=降水帯」と検索すると以下の2件がヒットしました。

■特許第6689396号
【タイトル】気象予測装置、気象予測方法、およびプログラム
【権利者】株式会社東芝/東芝インフラシステムズ株式会社
【概要】レーダー装置によって得られた気象観測データに基づいて、上空の降水帯の種類を決定するとともに、決定された降水帯の種類に応じて、降水帯による災害のリスクを導出する技術が権利化されています。

■特開2019-152567
【タイトル】算出プログラム、算出方法、算出装置、及び表示プログラム
【権利者】富士通株式会社
【概要】降水帯の形状に関する情報と長時間雨量及び短時間雨量とを用いて、土砂災害に関する指標を算出する技術が公開されています

これらの特許に付与されている特許分類について確認したところ、「G01W1/00」のあたりの分類が関係しそうでした。

G01W1/00 気象学
G01W1/10 ・天気状況の予報装置
G01W1/10@P 降雨、降雪に基づく予知
G01W1/10@T レーダー情報に基づく予知

「線状降水帯」という言葉が一般に知られるようになったのは、2014年8月の広島の土砂災害と、2015年9月の関東・東北豪雨あたりからで、気象レーダー技術の発達により雨雲の動きが見える化されたことが背景にあるようです。観測技術が発達し、正確な災害リスクを算出できるところまで来ています。次は、降水帯の発生予防技術や、発生した降水帯を消滅させる技術が期待されますが、自然現象を相手にする技術開発は難しいでしょうね。